クラウドサービス各社のイメージを調査した「ベストブランド」。クラウドに関連する製品やサービスを提供するITベンダーのイメージについて、7955人のビジネスパーソンからの有効回答を基に集計した。総合スコアが62.5以上のITベンダーを「ベストブランド」としている(表1)。

表1●クラウド関連事業に関する企業イメージ調査の結果
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 ベストブランドとなった企業は14社だ。前回調査に続いて、グーグル、セールスフォース・ドットコム、ヴイエムウェア、日本マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、日本IBMなどが選ばれた。

グーグルは技術力に高評価

 調査では、クラウドに関するサービスや製品を提供しているITベンダー250社について、「認知度」「信頼性」「技術力」「実績」「提案力」「マーケティング力」に対する印象を尋ねた。各社が提供するサービスや製品の中身ではなく、あくまで認知度や印象を聞いている。

 総合スコアが最も高かったのは、前回調査に引き続きグーグルだ。「認知度」や「技術力」「マーケティング力」の評価が目立つ。

 同社は東日本大震災の発生直後に、クラウドを使って復旧支援に乗り出したことで、クラウドサービス提供企業としても一躍有名になった。加えて昨年は、ソーシャルメディアサービス「Google+」を新たに提供し、企業向けの「Google Apps」からも利用可能にしている。こうした取り組みが、技術力への評価につながったようだ。Webブラウザー「Chrome」などの自社ソフトやサービスを、Webサイトのバナー広告やテレビCMで積極的にアピールし始めたことも、同社の認知度向上につながったとみられる。

 総合スコアでグーグルに続いたのがセールスフォースだ。「信頼性」や「実績」「提案力」では、グーグルよりも高い評価を得ている。

 「実績」の高評価につながったとみられるのが、企業向けクラウドサービスの充実ぶりだ。CRMサービスの「Salesforce CRM」 のほか、PaaSの「Force.com」やソーシャルメディアサービスの「Chatter」などを用意している。同社によれば、全世界のユーザー企業数は10万社を超える。

 ヴイエムウェアの高評価の原動力は、「技術力」と「実績」である。仮想化ソフトの最大手である同社の製品は、プライベートクラウドを構築するための基盤ソフトとして、ユーザー企業が広く採用している。サーバー台数が数百台におよぶ大規模システムでの導入実績も多い。

 日本マイクロソフトの強みは、「認知度」と「マーケティング力」だ。「認知度」はグーグル、セールスフォースに続く得点だった。ソフトメーカーとしての元々の認知度に加えて、クラウド基盤サービス「Windows Azure Platform」などの普及が寄与したもようだ。

 アマゾンに対する評価の特徴は、「実績」の高さにある。同社は2006年にいち早くクラウドサービスを提供し始めた。“老舗”としての面目を保ったと言える。

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