ネットワーク仮想化に向けた技術の開発には、種々のネットワーク機器メーカーのほか、いくつかのベンチャー企業が取り組んでいる。現時点では開発中のものが多いが、少なくとも2012年には、続々と製品として登場してくる。そうなれば、ネットワーク仮想化の動きは一気に加速するはずだ。
ベンチャー企業に限らず、大手ベンダーもその取り組み内容に関しては、ステルス戦略を取っていることが多く、これまでは詳細な情報を入手しにくい状況にあった。ただ最近、大手通信事業者との共同実証実験の発表など、各組織・企業の情報が表に出てくるようになってきた。また一部のベンダーは、徐々に構想や技術を明らかにし始めている。本編では、現時点で見えている製品やベンダーの動向を整理してみることにする。
プレーヤーは大きく3タイプ
一括りにネットワーク仮想化向けの製品と言っても、製品のカテゴリーは、スイッチ、OpenFlowコントローラー、クラウドコントローラーなどいくつかある。ベンダーによっては複数のカテゴリーを手掛けているケースもある。これをまとめたものが表1だ。これを、
- データ(フロー、パケット、フレームなど)の転送を行うスイッチ/ルーターを、ソフトウエアで提供するか、ハードウエアで提供するか
- ネットワークやネットワーク機器の制御を司るシステムを提供するかどうか
- OpenFlowをベースにしているかどうか
という三つの視点でとらえると、プレーヤーは3グループに分けられる。(1)OpenFlow対応のハードウエアスイッチを提供する、(2)OpenFlowコントローラーを中心に、クラウド制御基盤ソフトを提供する、(3)独自のアプローチでネットワーク仮想化を実現する――という具合である。