携帯電話から電話番号で相手を指定し、短いメッセージをやり取りできるSMS(ショートメッセージサービス)。海外では主流のテキスト送受信手段だが、国内では利用機会が広がらなかった。同一事業者のユーザー同士しか送受信できなかったことや、代替手段としてiモードメールなどがあったことが大きな理由だ。
ただ2011年7月13日からは、PHSを除く国内5社の携帯電話サービス間で、SMSを相互に送受信可能になった。これにより、SMSの利用シーンは広がるのか、読者モニターにアンケート調査した。
まずSMSを利用したことがあるかどうか。あるという回答が50.9%、使ったことがないという回答が47.2%とほぼ半々だった。iモードやEZwebなどのIP接続サービスは全加入者の8割前後が利用しているのに比べると、やはり利用率は低い。
SMSを使ったことがあるユーザーにその用途を聞くと、最も多かったのは「メールアドレスを知らない相手にメッセージを送るため」で63.6%。次に多かったのは「送達通知が必要な場合や、急いでいる時に電子メールの代わりに使う」の41.8%だった。16.4%を占める「その他」には、「家族との連絡手段に限定して使っている」「通話料に加算されるため、パケット代を節約したいときに使う」といった回答が見られた。
事業者間接続開始によってSMSの使い道が「増えると思う」と回答したユーザーは33.3%、「少しは増える」が30.1%と、前向きにとらえた答えが6割以上。ただし自由回答には、「電話番号だけで使える利便性の半面、迷惑メールの増加を懸念する」「通常のメールが定額になっているので、つど課金のSMSは割高に感じる」というネガティブな意見も見られた。
調査対象:「日経コミュニケーション」読者モニター(東北3県を調査対象から除外)
調査方法:日経BPコンサルティングのインターネット調査システムで実施
調査日程:2011年6月15日~22日
回答企業数(回収率):415社中216社(52.0%)