グーグルのGmailなどクラウド型のメールサービスや、メール専用サーバーのホスティングなど、社内のメール環境をアウトソースする選択肢は増えている。

 しかし調査結果からは、サーバーを自社で運用するユーザーが71.6%とまだ大半を占めていることが分かった。内訳はメール専用サーバーを使うユーザーが48.8%。グループウエアサーバーでメール環境を運用しているユーザーも22.8%と比較的多い。

Q.社内メールをどう運用していますか(一つだけ)
Q. 社内メールをどう運用していますか(一つだけ)

 一方、ホスティングやSaaS/クラウド型のメールサービスを利用しているユーザーは合わせて24.8%と約4分の1だった。SaaS/クラウドだけを見れば7.2%とまだ少数派だ。

 クラウドの導入を検討しているユーザーの自由回答を見ると「パソコンにメールを保存しないルールなので、サーバー側の保存領域への投資がかさむ」といったメールボックス容量の確保に関する悩みが目立った。また、「海外拠点や外出先でスマートフォンを使いたいといった利用環境の多様化に、自社内のリソースでは対応しきれない」といった声も聞かれた。

 メールシステムを運用するうえでは、ウイルス対策や迷惑メール対策も必須。運用状況についての回答を見ると、自社で別サーバーを運用するユーザーが45.6%と最も多く、次いでホスティングサービスなどのオプション機能を使うユーザーが20.4%だった。

Q.ウイルス/迷惑メール対策をどう運用していますか(複数回答)
Q. ウイルス/迷惑メール対策をどう運用していますか(複数回答)

 迷惑メールに関しては、「外部ゲートウエイを使っても誤検出が多く、最後は手作業になる」といった声や「あて先間違いによる誤送信の防止にも取り組みたい」という意見があった。

Q.運用中の社内アカウント数はどのくらいですか(一つだけ)
Q. 運用中の社内アカウント数はどのくらいですか(一つだけ)

 このほかに目立ったのは「メールの送受信数が増えすぎて困る」という指摘。同報グループアカウントや、自動通知メールの利用がメールの量を増やしていることを問題視している様子がうかがえた。

回答者のコメントから
 一般業務のメール以外にも、サーバー管理にかかわるメール通知など、なんでもメールを使うことが当たり前になっている。このためシステム側では無駄なメールの処理まで考慮しなくてはならず、サーバー運用にかかるコスト(探す時間、的確にメッセージを判別する手間)が増えている。今後は、メール以外のツールとの併用を考えていきたい。
●調査概要
調査対象:「日経コミュニケーション」読者モニター
調査方法:日経BPコンサルティングのインターネット調査システムで実施
調査日程:2010年12月17日~27日
回答企業数(回収率):428社中250社(58.4%)