数多くのITソリューションから自社に合ったものを選択するためには、的確な情報収集が欠かせない。ベンダーが提供する製品/サービスの情報やメディアの紹介記事など、その情報源は実に様々だ。
「市場全体を俯瞰した時には何が起きているのか?」を知ることも、自社の意思決定に大いに役立つ。そこで本連載では、ユーザー企業を対象とした調査データをもとに、賢いITソリューション選択を行うにはどのような点に留意すべきか?を解説していくことにする。
サーバー本体の保守費用/購入費用が課題
初回となる今回のテーマは「サーバー仮想化」だ。大企業はもちろん、中堅・中小企業においてもサーバー仮想化に対する関心は年々高まってきている。
サーバーはITソリューションの重要基盤の一つだ。この連載では今後様々なトピックを取り上げていくが、まずは基盤となるサーバーについてしっかり押さえておこうというのが今回の意図だ。
まず、下のグラフをご覧いただきたい(図1)。これは年商5億円以上の国内企業1000社に対し、「現在抱えているサーバー管理の課題」を尋ねた結果である。選択肢は複数選ぶことが可能であり、グラフではそのうち回答件数が多い上位5つをプロットしている。いずれの年商帯においても「サーバー本体の保守費用/購入費用」「運用管理担当者の不足」「サーバーの負荷増大」「サーバー障害発生時の対応」といった項目が多く挙げられていることがわかる。
一方、サーバー仮想化がもたらすメリットには、
- 物理サーバー台数削減による運用管理負担の軽減や省電力/省スペース化
- システム展開の迅速化、対障害性の向上、およびリソース消費の最適化
- レガシー資産の延命
といったものが挙げられる。冒頭のグラフに挙げられた課題はいずれもサーバー仮想化によって解決が期待できるものばかりだ。これが年商帯を問わずサーバー仮想化が高い関心を集めている大きな要因の一つである。