サーバー仮想化の導入が当たり前になったことにより、特に新システムの導入では、仮想化が前提のシステム検討が行われるようになってきている。しかし、仮想化技術はそれほど万能の技術というわけでもない。後で「こんなはずではなかった」と後悔しないために、まずは、そのシステムを仮想化すべきかどうかを見極めよう。今回は、そのためのポイントを解説する。
大まかに仮想化の可否を判断する
まず新規に導入するシステムの性質を見極めて、仮想化すべきかどうかを大まかに判断できれば、その後の詳細な検討がずいぶんと楽になる。
このような判断をするには、仮想化のメリットを追求するよりも、仮想化のデメリットに、システムが当てはまることがないかどうかを考えるべきだろう。それはつまり、以下のようなデメリットについて、どう判断するかということだ。
1.仮想化による性能の劣化
2.仮想化そのものに対するコスト
3.障害発生時の切り分けポイントの増加
4.アプリケーションの仮想化でのサポート
5.新しい仕組みを導入することによる運用管理者のスキル修得やノウハウ蓄積の必要性
ただし、このような判断はあくまで大まかなものであって、必ずしもその通りになるとは限らないし、ある程度デメリットに目をつぶってでも仮想化を導入する必要があることも多い。その場合でも、それぞれのデメリットについて、一定の理解と解決策をきちんと用意しておくべきだろう。以下、これらのデメリットについて、詳しく見ていこう。