企業情報システムのITオペレーション(運用)での、自動化は進む。この流れに逆らうことはできない。しかし、現実には、運用の自動化を実現することは簡単ではない。ツールの導入だけではなく、運用プロセスや作業の標準化や簡素化が必要になるからだ。そもそも、定常的に繰り返し行う作業でないと、自動化することは難しいし、自動化のメリットは享受できない。どれだけプロセスを標準化できているかが、自動化の成否を左右する大きな要素となる。

 ただし、運用プロセスを標準化するためには、一定以上のスキルや時間、労力を要する。運用の仕事(業務)を体系立てて整理する能力が要るし、幅広い知識も必要だ。さらに言えば、多くのプロセスは複数の領域や部門をまたぐことも多いため調整能力なども求められる。

 残念ながら、こうしたスキルを備えて、運用プロセスの標準化を推進できる人材は、必ずしも多くはない。現在、多くの企業が、ITIL(Information Technology Infrastructure Library)を活用し、その7~8割くらいは、「インシデント管理」から始めていると見ている。同時にその多くが、その後の範囲の拡大や成熟度向上、継続的な活動として成功しているとは言い難い。これも、プロセスの標準化を推進できる人材が足りないことがひとつの原因だ。そのためこうした人材の育成は急務である。

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