ネットワーク管理製品の種類は,大きく二つに分けられる。一つは,ネットワークを構成する機器から各種情報を収集して人間にわかりやすい形にして表示する「ネットワーク管理ソフト」である。もう一つが,電気信号や電波を収集して解析する「テスター/アナライザ」である。

 それぞれの製品の利用シーンや,製品選択のポイントを見てみよう。

機器からデータを収集し,統計表示やトラブル通知

 最初に,ネットワーク管理ソフトについて見てみよう。

 ネットワーク管理ソフトは,トラフィックやネットワーク機器の動作状況を管理できるソフトウエアである。一口にネットワーク管理ソフトと言ってもその種類はいろいろある。例えば,pingによるサーバーの動作チェック,クライアント・パソコンの資産管理,パッチ配布やセキュリティ管理,ネットワーク機器の構成・性能・障害管理などである。

 ただ,「ネットワーク管理ソフト」と言うと一般的には,SNMP(simple network management protocol)と呼ばれる標準プロトコルを使ってネットワーク上で稼働している機器から情報を収集し,一元的に管理できる製品を指すケースが多い。

図1●ネットワーク管理ソフトが備えるおもな機能
SNMPという標準プロトコルを使ってネットワークの性能や障害を一元的に管理する製品が主流。
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 SNMPを使うネットワーク管理ソフトが備える機能は大きく三つある。それは,(1)ネットワークの構成を調べて管理する「構成管理」,(2)機器の稼働状態を定期的にチェックする「性能管理」,(3)障害を検知して管理者に知らせる「障害管理」---である。

 どの製品も,上記三つの機能は備えている。ただし,製品ごとに使い勝手や付加機能,拡張性に違いがあり,それが価格にも反映される。例えば,10万円以下の製品は,冗長化や遠隔監視などの機能を搭載していない製品が多い。一方,100万円以上する製品は,他の資産管理ソフトやクライアント管理ソフト,セキュリティ管理ソフトなどと連携して,企業内のあらゆる情報を管理する統合管理システムの一部として使えるようになっている製品が多い。

 製品を選ぶ場合は,上記の三つの基本機能それぞれに対して,どの程度の付加機能や拡張性が必要かを考えて選ぶことになる。

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