スマートフォン、タブレットそしてノートPCのようなモバイル端末の活用は、企業のITが今後向かうべきひとつの方向性であることは間違いない。現在、多くの企業がその実現に向けたネットワーク環境の再構築フェーズに直面しており、これらモバイル端末の無線アクセス環境をどう整備するのか、また端末の運用管理に関してどうすべきかに悩んでいる。
特に、スマートフォンやタブレットは、企業の新しいインフラとして注目を集めている。2011年に国内のユーザー企業に対してアンケート調査を実施したところ、企業の約半数がスマートフォンを「既に導入しているあるいはその予定がある」と回答している。またグローバルでのCIOへの調査でも、ITの関心事の中でモバイルが3位と高水準に位置している。
しかし、現実には、スマートフォンやタブレットを全社的に導入した企業は全体の1割前後に過ぎない。興味を示しつつも、セキュリティの確保や通信費用などのコストに悩んでいたり、業務から見た価値がまだよく見えていなかったりするのが実態だ。