システムに対するコスト削減の要求や、東日本大震災以後のBCP対策へのニーズの高まりの中、サーバー仮想化に対する注目が一段と高まっている。すでにサーバー仮想化を導入しているユーザーは増えつつあるものの、まだまだこれからというユーザーも多いのではないだろうか。
本連載では、仮想化ソフトを導入してサーバー仮想化を検討しているユーザーを対象に、サーバー仮想化の基礎から製品選定のポイントまでを解説していく。連載第1回目の今回は、サーバー仮想化の基礎を解説する。
サーバー仮想化とは
本連載の主なテーマである「サーバー仮想化」とは、仮想マシン技術を利用し、これまで別々の物理マシンに分かれていたシステムを1台、または数台の仮想ホスト上に集約することを指す。サーバーを仮想化することで、以下のようなメリットを享受できるため、ユーザーの多くがサーバー仮想化を導入済み、あるいは導入を検討しているのである。
・物理サーバーの台数を削減することによるコスト削減効果
・HAクラスタを構成して、ハードウエア障害発生時にシステムを自動的に再起動してダウンタイムを最小化できる
・ライブマイグレーション機能を利用して、システムを停止せずにハードウエアのメンテナンスなどを行うことができる