ヴイエムウェアの仮想デスクトップ製品「VMware View」を使い、生徒向け実習室のPCを仮想化した。2010年4月時点で15教室300台の仮想デスクトップが稼働している。

 仮想デスクトップは、サーバー側に用意した仮想マシン上でデスクトップ環境を稼働させる手法。PCとは画面転送方式で情報をやり取りする。各PCのデスクトップ環境をサーバー側で一元管理できることなどがメリットだ。

 同校は、PCの効率的な利用を目的に、仮想デスクトップを導入した。従来の課題は二つあった。一つは、実習室間でPCが融通できないこと。同校には、CAD実習室やプログラミング実習室など15の実習室がある。実習室は各科が管理しており、ある実習室のPCが空いていても、他の実習室からは利用できなかった。

 もう一つの課題は、デスクトップアプリケーションがうまく共有できなかったこと。生徒が利用するデスクトップアプリケーションは、CAD/CAMやコンピュータグラフィックスなど12種類に上る。従来、あるPCにインストールされたアプリケーションを使いたいと思っても、そのPCが設置された実習室が授業で使われていると、あきらめざるを得なかった。

 こうした課題を仮想デスクトップの導入で解決した。300台の仮想デスクトップ環境(仮想マシン)は、6台の物理サーバー上に用意してある。生徒は、どの実習室にある、どのPCからも必要なアプリケーションが導入された仮想マシンを呼び出すことができる。利用者の同時使用数に応じてアプリケーションを購入すればよいので、余分なライセンスを削減する効果もあったという。