| オフィスで働く知的生産者(ナレッジ・ワーカー)の生産性を評価することは難しい。最近ではフレックス・タイムや在宅勤務など勤務時間が流動化しているため,生産性を計る単位時間の定義もあいまいだ。
ともするとナレッジ・ワーカーの生産性と,従業員一人当たりの売り上げなどの業績評価が混同されてしまっている。業績評価はシステム投資の評価としては適していない。景気や市場動向に左右されてしまい,システムの評価を見極めにくいからだ。
企業の論理としては,成長を呼び込まない設備投資には消極的にならざるを得ない。テクノロジー主体でのシステム提案が陥りやすい,わなと言える。ネットワークは単にユーザーにとって便利な道具であるだけでは,投資するには値しないのだ。もちろん経営陣も承諾しないだろう。
なぜこうなってしまうのか。大きな原因として考えられるのは,ネットワークを導入する際のビジョンの欠如である。
投資において重要な事は「生産性」でも「TCO削減」でもない。ネットワークへの投資は,自社の市場を拡大したり新たな需要を創造する,あるいは顧客を確保するといった成長への源泉であるということを認識すべきだろう(図)。
現在のネットワーク投資に欠けているのは,こうした企業の成長する姿を描いたビジョンではないだろうか。ネットワークはこのビジョンを実現するために作るものという考え方だ。
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