日経コンピュータExpress特別版:
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| 6月19日,みずほホールディングスの前田晃伸社長は,日銀記者クラブで会見し,4月に起こしたシステム障害の原因と再発防止策を説明,記者からの質問に答えた。2時間近くにわたった会見には,工藤正頭取とみずほコーポレート銀行の齋藤宏頭取も同席した。本誌は,特定の記者しか入れない日銀記者クラブの会見内容を入手,その全貌を完全公開する。 |
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―― それでは時間ですので,よろしくお願いします。
前田 4月以来いろいろシステム障害でご迷惑をおかけいたしました。ここで改めて深くお詫びいたします。みずほホールディングスの前田(晃伸社長)でございますが,私の方から最初にリリースにそってご説明させていただきます。そのあと,両頭取からお話をいたします。
まず最初に,つい先ほど金融庁にまいりまして,大臣のところにお邪魔いたしまして,金融庁から業務改善命令(http://www.fsa.go.jp/news/newsj/13/ginkou/f-20020619-1.html)をいただいております。
業務改善命令の内容は,一つが検査結果に対する改善対応策を確実に実行すること。2番目が,そのうち必要とするものについては速やかに計画を策定すること。3番目が,実施状況について3カ月毎に報告すること。以上でございます。これを先ほどいただきましたので,我々はその通りやるということをお約束してまいりました。
システム統合のリスク認識に甘さそれではリリースにそってご説明申し上げます。このリリース(http://www.mizuho-fg.co.jp/release/2002/news/news_020619.html)は,今回のシステム障害の発生原因,再発防止策とお客さまからの信頼回復に向けて,となっておりますが,4月に新しい銀行がスタートいたしまして,その直後からシステム障害等で1カ月間は大変ご迷惑をおかけしました。
4月の1カ月につきましては,復旧優先ということで,原因究明等もできませんで,そういう意味で発表等ができませんで,大変申し訳ないと思います。5月に入りましてから,原因究明,それから当局の検査,安定稼働の確保等が行われるようになりまして,今月に入りまして6月11日,先週の火曜日に検査結果の通知をいただいております。
それから18日,昨日でございますが,(銀行法)24条の報告を提出いたしました。それから本日,先ほど申し上げました通り,業務改善命令をいただきまして,そのままこちらに参って記者会見ということでございます。
今回のシステム障害の発生原因,再発防止策とお客さまからの信頼回復に向けて,というこの部分でございますが,ページで申し上げますと14ページでございまして,最後に別紙がついております。膨大なリリースでございますが,ポイントを申し上げます。
1ページ目でございますが,今回の口座振替やATM(現金自動預け払い機)等のシステム障害につきましては,各種テストやリハーサル等の事前準備が十分でなかったこと,システム統合プロジェクトの管理体制に問題があったことによるものでございます。この点につきましては,経営陣をはじめとした当グループの役職員に,システム統合にかかわるオペレーショナルリスクに対する認識と管理に甘さがあったと言わざるを得ず,深く我々は反省いたしております。
私どもといたしましては,ご迷惑をおかけしましたお客さまには十分ご相談させていただきながら,誠心誠意対応させていただくとともに,システム並びに業務運営の更なる安定化を目指し,適切な再発防止策の策定・実施を速やかに進め,今回のような事態を二度と繰り返すことのないよう,グループの役職員が一体となって全力で取り組んでまいります。
また,こうした取り組みとともに,お客さまに対しましては,より良いサービスをご提供することによりまして,信頼の回復に努めてまいる所存でございます。
2ページでございますが,ここは障害の概要と発生原因が書いてあります。
2ページから4ページで,大きく三つに分かれておりまして,まず最初が口座振替の事務処理遅延がございます。この部分につきましての大きな原因をここに示してあります。MT交換テーブルの不備。2番目がスケジュールトランズの不備。ジョブコントロールランゲージ(JCL)の不具合。4番目が,受付事務処理の混乱。ここはすべてが原因のところでございます。それぞれの内容につきましては,テクニカルなものを含めて,ここに詳細をお書きしていますが,すべてが複合的な要因になっているということでございます。
続きまして3ページのATM障害というのがございます。これは4月1日および8日に,みずほ銀行のATMのオンライン障害が発生した部分の現象と原因でございます。
この障害の原因は,下から5行目にありますが,グローバル・プロセッサーのプログラムに不具合があったことによるものであります。これは4月にここにお邪魔したときに,リレー・コンピュータが不具合ということを申し上げましたが,これは検証の結果,リレー・コンピュータではなくて,そこに至る元になるグローバル・プロセッサーの部分に不具合があったということでございます。
4ページ目でございますが,振込遅延等その他の障害。ここは4月1日の統合以降,今申し上げました口座振替,それからATMの障害以外にもいろいろな事務混乱がございまして,お客さまに不都合が発生いたしております。ここに4行にまとめて書いてありますが,いろんなことが4月の初期の段階に起こりまして,その点でお客さまに大変ご迷惑をおかけしたということでございまして,その主たる原因がその次の5行目から書いてあります。
ただ今申し上げました,4月に起こりましたいろんな障害でございますが,システム関係の復旧作業は終了いたしております。ただ今後ともいっそうの安定稼働を確保するために,システムの追加テスト,追加開発等を進めてまいります。
事前準備やシステム移行時に不具合続きまして5ページ目でございますが,これはシステム統合準備過程における問題点,ということで要約をいたしております。二つの点がございます。これは事前準備の段階の不具合でございます。
まず最初でございますが,各種テストやリハーサル等の事前準備の不足,という項目がございます。この部分,先ほど一部申し上げましたが,ここの部分はコンピュータのプログラムや事務の不具合は,各種テストやリハーサル等の事前準備が十分でなかったことによるものであります。特に口座振替システムにつきましては,システム開発スケジュールの遅れから,テストは未了ないしは不完全なものにとどまっていたことが判明いたしております。
その次のところは,その現象面の内容を説明いたしております。それぞれテストとか,いろんなことをやったんですが,一部ここに書いてあります通り,未了もしくは不完全なものがありましたので,通してやったテストが完全な目的を達成してないという部分がございまして,総括しますと,一言で申し上げますと,事前準備の不足ということでございます。
それから真ん中からちょっと下にあります,統合後の業務運営や大規模な障害発生を想定したリハーサルを実施できていなかったことが,この一連の障害を拡大,長期化させた直接の原因,という部分。この意味は,小規模のトラブルを前提としたコンティンジェンシープランはあったのですが,今回のような大規模に障害が起こるのを前提にしたコンティンジェンシープランがなかったということでございまして,そういう意味で,実際にこれだけの大規模な障害が起こったこともありまして,障害のリカバーに時間を要したという原因でございます。
2番目でございますが,システム統合プロジェクトの管理体制の不備,ということでございまして,ここにあります通り,システム・事務の水準確保が十分でなかったにもかかわらず,システムリリースをいたしましたが,なぜそのような事態になったかという部分でございますが,これはシステム統合プロジェクトの管理体制に種々問題があったということでございます。
6ページにいっていただきます。この部分が移行判定をめぐる部分を含めて,すべての総括をしているところでございます。
まず一番上(2.の(1))でございますが,今回のシステム統合は三つの銀行を二つにするという大統合でございまして,統合するシステムの種類は,勘定系,情報系,国際系,市場系等,3行がそれぞれ持っておりました多数のシステムを2行に統合するという,大変難しい開発プロジェクトでございまして,そのために各システム毎に開発責任行を定めて開発を行ってまいりました。今回,障害が発生した部分につきましては,その開発責任行におきまして,システム開発部門のシステムに対するリスク認識・評価が不十分であったために,経営陣,これはその銀行のという意味でございますが,経営陣および持株会社に対して適切な報告が行われておりませんでした。
特に,統合準備段階におきまして,開発責任行の経営陣およびみずほホールディングスに報告されるべきであった重要な情報が,開発銀行の中のシステム部門内に留まったことから,的確な組織的対応が行われなかった事案が少なからずございました。また,同行のシステム部門内の牽制機能やチェック機能も不十分であり,システム開発体制が十分に整備されておりませんでした。
2番目(2.の(2))でございますが,これはみずほホールディングスのことを言っております。システム統合プロジェクト全般にわたる進ちょく管理につきましては,持株会社であるみずほホールディングスが統括管理し,システム移行の判定は,各開発責任行のシステム部門からの移行準備にかかる報告が適切になされていることを前提に,3月22日の持株会社での経営会議において,「残った一部の課題も解決の目処が立っており,予定通り移行に臨む」旨の報告があり,これを了承することによって行っております。みずほホールディングスにおきましても,障害発生の可能性の早期検知および障害発生の防止に至らず,持株会社としての統括責任も全うできておりませんでした。
続きまして,内部監査につきましては(2.の(3)),統合準備の過程におけるシステム統合リスクの重要度認識において不十分な面があり,今回障害が発生した口座振替システム等の統合プロジェクトの問題点を,システム部門の外からチェックするに至りませんでした。以上の2点が大きな要因でございます。
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