米IBMが,データ・センター向けの冷却技術「IBM eServer Rear Door Heat eXchanger」(開発コード名は「Cool Blue」)を米国時間7月12日に発表した。既存のエアコン・システムに供給されている冷却水を利用してサーバーをラックごと冷やし,発熱を最大55%低減するという。

 同技術は,サーバー・ラックのドア内に冷却水を循環させるパイプを設け,内部を冷やす。冷却能力は最大5万BTU(約5275万J)あり,満載状態のラックからの発熱を最大55%減らせる。奪った熱は外部に運び,データ・センター内に放出しない。さらにIBM社は「既設エアコンのエネルギ・コストも最大15%下げられる」とする。

 適用可能なサーバーの種類は選ばないが,「IBM eServer Enterprise」に容易に取り付けられるよう設計した。同社はeServer製品系列初のHeat eXchanger対応サーバーとして,「IBM eServer Cluster 1350」の改良版を用意する。

 「顧客がデータ・センターの面積を変えずに演算能力を高めようとする際,同冷却技術で熱との戦いを支援する」(IBM社システム&技術グループ開発担当副社長のRod Adkins氏)

 Heat eXchangerは同日より利用可能とする。米国における価格は4299ドルから。

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