Q


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図7●アプリケーション・ログに記録されたイベント
Windows 2000上でSUS(Software Update Services)を実行している環境で,アプリケーション・ログに,ソース「W3SVC」に関するイベントID 36の「警告」が記録されます(図7)。きちんと構成したつもりですが,何か設定が間違っているのでしょうか?

A

ソース「W3SVC」はWebサーバーとして使っているInternet Information Services(IIS)に関するイベントです。アプリケーション・ログでは,「サーバーはアプリケーション' 'の読み込みに失敗しました」とあるので,何か起動していないモジュールがあると思われるでしょう。ただし,これはSUSでサポートしていないデバイス・ドライバの更新に関するイベントです。無視して構いません。


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図8●SUSのイベントと同時刻におけるIISのアクセス・ログ
 原因を詳しく解説しましょう。このイベントが起きた時刻に,対応するIISのアクセス・ログを確認すると,図8のようになっているはずです。アクセス・ログの記録場所は管理ツールのインターネット・サービス・マネージャを起動してIISのWebサイトのプロパティで確認できます。Windows 2000のデフォルトでは,%WinDir%\System32\LogFilesフォルダです。ログの時刻はGMT(グリニッジ標準時)なのでJST(日本標準時)と9時間ずれている点に注意してください。

 図8のログはソース「W3SVC」のイベントID 36に関する警告が以下の条件により記録されていることを示します。

●クライアントIPアドレス
 192.168.0.1

●HTTPリクエスト
 POST /autoupdatedrivers/getmanifest.asp

●User Agent
 Mozilla/4.0+(compatible;+Win32;+WinHttp.WinHttpRequest.5)

 これは,SUS環境において,IPアドレスが192.168.0.1であるクライアントPCのAutoUpdate Clientモジュールが,更新されたドライバをチェックするときに記録されます。

ドライバ更新ができないのが原因
 マイクロソフトがインターネット上で提供するWindows Updateサイト(該当サイト)は,ご存じのように修正プログラムのほか,デバイス・ドライバの最新バージョンを提供しています。

 社内用のWindows Updateサイトを構成する仕組みであるSUSのサーバーはそれと異なりドライバの更新をサポートしていません。SUSサーバーが使うIIS上にはドライバの更新用のWebアプリケーションを起動するための「/autoupdatedrivers」という仮想ディレクトリが存在しないのです。

 ただし,クライアントPCのモジュールはWindows UpdateとSUSで共通のものが使われています。そのため,SUSサーバーに対してもクライアントがドライバ更新のアプリケーションを起動しようとして上記エラーがログに記録されるという仕組みなのです。

 マイクロソフトは,サポート技術情報326596の「Error 0x80190194 Is Logged in the Windows Update.log File When the Client Queries "/autoupdatedrivers/getmanifest.asp"」(該当サイト)においてこの現象を解説しています。

 前述のようにこの警告に関して特に対処の必要はありません。万全を期すのであれば,IPアドレスからリクエストを出したクライアントPCをつきとめ,その%SystemRoot%\Windows Update.logのファイルも確認して,上記サポート技術情報の内容と一致することを確認するとよいでしょう。

小森 博司