debugfs(8)
ext2/ext3/ext4ファイルシステムの調査・デバッグを行う
構文
debugfs [オプション] [DEVICE]
オプション
-b BLOCKSIZE | ブロックサイズの自動検出を行わずBLOCKSIZE(1024/2048/4096)を適用する |
-c | 重度に破損したモードとしてファイルシステムをread-onlyモードで開く |
-d SOURCE_DEVICE | 読み取りブロックがファイルシステムイメージに見つからない場合、SOURCE_DEVICEのデバイスが使われる(-iオプションと共に利用) |
-f FILE | 対話的な動作ではなく、ファイルFILEに記述されているコマンドを順に実行する |
-i | 指定したデバイスがe2imageによって作成されたファイルシステムイメージであることにする |
-R COMMAND | 対話的な動作ではなく、COMMANDとして指定したコマンドを実行して終了する |
-s SUPERBLOCK | スーパーブロックのブロックをSUPERBLOCKとする(-bオプションも必要) |
-V | バージョンのみ表示する |
-w | read-writeモードでファイルシステムを開く(デフォルトはread-onlyモード) |
DEVICE | デバイスファイルを指定する |
主なコマンド
cat FILESPEC | ファイルFILESPECで指定したiノードの内容を標準出力へ出力する |
cd FILESPEC | FILESPECディレクトリへ移動する |
chroot FILESPEC | ルートディレクトリをFILESPECディレクトリに変更する |
close [-a] | 開いているファイルシステムを閉じる(-a:マスタースーパーブロックだけでなくバックアップスーパーブロックにも変更を書き込む) |
clri FILE | ファイルFILEのiノードの内容を消去する |
dump [-p] FILESPEC OUTFILE | ファイルFILESPECのiノードの内容をファイルOUTFILEに書き出す(-p:OUTFILEのパーミッションはFILEと同じになる) |
expand_dir FILESPEC | FILESPECディレクトリを展開する |
feature [FS_FEATURE] [-FS_FEATURE] ... | 指定したファイルシステム属性FS_FEATUREをセットしたりクリアしたりする(引数を指定しなければ現在適用されているファイルシステム属性を表示する) |
find_free_block | 空きブロックを表示する |
find_free_inode | 空きiノードを表示する |
freeb BLOCK | ブロックBLOCKをアロケートされていないものとしてマークする |
freei FILE | ファイルFILEのiノードを解放する |
help | コマンド一覧を表示する |
icheck BLOCK ... | ブロックBLOCKを利用しているiノードを表示する |
init_filesys DEVICE BLOCKSIZE | デバイスサイズBLOCKSIZEのext2ファイルシステムをデバイスDEVICE上に作成する |
kill_file FILESPEC | ファイルFILESPECのiノードとそのブロックのアロケートを解除する |
lcd DIR | debugfsプロセスのカレントディレクトリをDIRディレクトリに変更する |
ln FILESPEC DEST_FILE | ファイルFILESPECを指すリンクDEST_FILEを作成する(iノードの参照数は変更しない) |
logdump [FILE] | ext3ジャーナルの内容をファイルFILEもしくは標準出力に出力する |
ls [-l] [-d] [-p] [DIR] | DIRディレクトリ内のファイル一覧を表示する(-l:より詳細な書式で、-d:削除エントリを表示、-p:スクリプト向きの簡潔な書式で) |
modify_inode FILESPEC | ファイルFILESPECのiノード内容を対話的に変更する |
mkdir FILESPEC | FILESPECディレクトリを作成する |
mknod FILESPEC [p|[[c|b] MAJOR MINOR]] | スペシャルデバイスファイルを作成する(-p:パイプ、c:キャラクタデバイス、b:ブロックデバイス、MAJOR:メジャー番号、MINOR:マイナー番号) |
ncheck INODE ... | iノード番号INODEに対応するパス名をリスト表示する |
open DEVICE | デバイスDEVICEを編集対象としてオープンする |
pwd | カレントディレクトリを表示する |
quit | debugfsを終了する |
rdump DIR DEST | DIRディレクトリとその内容をDESTディレクトリに再帰的にダンプ(コピー)する |
rm FILE | ファイルFILEをアンリンクする |
rmdir DIR | DIRディレクトリを削除する |
setb BLOCK | ブロックBLOCKをアロケートされているものとしてマークする |
set_inode_field FILESPEC FIELD VALUE | ファイルFILESPECのiノードフィールドFIELDに値VALUEをセットする(-lでiノードフィールドのリストを表示) |
set_super_value FIELD VALUE | スーパーブロックのフィールドFIELDに値VALUEをセットする(-lでスーパーブロックフィールドのリストを表示) |
show_super_stats [-h] | スーパーブロックとブロックグループディスクリプタの内容を表示する(-h:スーパーブロックのみ表示) |
stat FILESPEC | ファイルFILESPECのiノード構造体の内容を表示する |
testb BLOCK | ブロックBLOCKがブロックビットマップでアロケートされているかチェックする |
testi FILESPEC | ファイルFILESPECがiノードビットマップでアロケートされているかチェックする |
unlink PATHNAME | PATHNAMEで指定されるiノードのリンクを削除する(iノード参照数は変更しない) |
write SRC_FILE OUT_FILE | ファイルOUT_FILEを作成し、ファイルSRC_FILEの内容をOUT_FILEにコピーする |
FILESPEC | ファイル名を指定するか、iノード番号を<>で囲んで指定する |
説明
ext2/ext3/ext4ファイルシステムを開き、ファイルを詳細に調査したり操作したりする。debugfsコマンドを実行すると、対話的にデバッグ操作を受け付ける状態になる。プロンプト「debugfs:」が表示されるので、任意のコマンドを入力する。対話モードはquitで終了する。
使用例
/dev/sda1をread-onlyモードで開き、対話的に操作する。
# debugfs /dev/sda1
debugfs 1.41.12 (17-May-2010)
debugfs: pwd
[pwd] INODE: 2 PATH: /
[root] INODE: 2 PATH: /
debugfs: ls
2 (12) . 2 (12) .. 11 (20) lost+found 12 (12) grub
19 (12) efi 41 (40) config-2.6.32-431.11.2.el6.i686
14 (44) .vmlinuz-2.6.32-431.el6.i686.hmac
15 (40) System.map-2.6.32-431.el6.i686
16 (36) config-2.6.32-431.el6.i686
17 (40) symvers-2.6.32-431.el6.i686.gz
18 (36) vmlinuz-2.6.32-431.el6.i686
23 (44) initramfs-2.6.32-431.el6.i686.img
24 (56) initramfs-2.6.32-431.11.2.el6.i686.img
39 (48) .vmlinuz-2.6.32-431.11.2.el6.i686.hmac
40 (44) System.map-2.6.32-431.11.2.el6.i686
42 (44) symvers-2.6.32-431.11.2.el6.i686.gz
43 (40) vmlinuz-2.6.32-431.11.2.el6.i686
debugfs: stat vmlinuz-2.6.32-431.el6.i686
Inode: 18 Type: regular Mode: 0755 Flags: 0x80000
Generation: 2749104814 Version: 0x00000001
User: 0 Group: 0 Size: 4002656
File ACL: 4401 Directory ACL: 0
Links: 1 Blockcount: 7820
Fragment: Address: 0 Number: 0 Size: 0
ctime: 0x534f3ef2 -- Thu Apr 17 11:39:46 2014
atime: 0x528eaa45 -- Fri Nov 22 09:50:13 2013
mtime: 0x528eaa45 -- Fri Nov 22 09:50:13 2013
EXTENTS:
(0-2047): 10241-12288, (2048-3908): 14337-16197
debugfs: quit
関連事項
e2fsck、mke2fs、dumpe2fs、tune2fs